Worlds in the Shell

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the practice 128 and 129

#128 "The Cradle Will Rock"
エホバの証人輸血拒否事件の変化形。信仰として医療に拒否反応を示す夫妻が、ハンターウィルス(?)にかかり、自分の息子を死に至らしめる。彼らが息子を救うためにしたことは、ただ祈ることだけだった。

何よりも命の重さを理解しているヘレンは、彼らのしたことは親として無責任極まりない、という最終弁論を展開する。一方、彼らの弁護士であるユージーンは、911テロ以前と以降のアメリカ国民の宗教観を持ち出し、対抗する。しかし、結果は当然ながらヘレンが勝利する。

最終弁論でユージーンが911を持ち出したのは余りにも戦略的過ぎて、汚い、と思ったが、この事務所は勝つためには法に触れなければ何でもやる事務所なので、仕方ないんだよな。

#129 "Neighboring Species"

幹細胞研究所に対し再開発計画を口実にした市の立ち退き命令が出される。不当な行政行為に対し、ユージーンが挑む。

カトリックであるジミーが、幹細胞研究所の弁護を誰にも相談せずに引き受けたユージーンを非難するのだが、ユージーンは、お前はパートナーじゃないだろ、とそれを一蹴する。ボビーに窘められ、いったんこの非難の応酬は止むのだが、さらに不満をもらすジミーの言葉を聞いていたら、彼は事務所を辞めるべきなんじゃないの、と思ってしまった。意見の対立が起こる度に辞めていたら個人弁護士事務所なんて成立しなくなってしまうのだけど、ジミーは余りにも身勝手で、自分の意見を押し付け過ぎる。

一方、個人事務所を設立したリンジーは、ホイットニー・ヒューストンの歌を朝から大声で歌い隣人を悩ませている女性の弁護に挑む。

リンジーの最終弁論そして判事の判決文は、確かに今のアメリカ及び日本で起こりつつある無関心な隣人社会に対し警鐘を鳴らしているに違いない。しかし、ただそれだけの理由でこの裁判を棄却してしまうのは、どうなんだろうと思う。毎朝大声で歌われ、迷惑と感じている隣人が明らかに存在しているのだから、やはり妥協点を見いだすべきだろう。それを判事は一方的に棄却してしまったので、いささか驚いた。というより、リンジーの最終弁論がとても弱かったので、勝てる訳がない、と思っていたから驚いてしまったの。