ツイン・ピークス
ツイン・ピークスはなぜ滅びたのか?
全世界で大ヒットしたデヴィッド・リンチによるハリウッドドラマ、ツイン・ピークス。先日このドラマのことをふと思い出した僕は、WOWOWで録画したビデオテープを探し出し、昨日からHDDレコーダーへのダビングを始めた。しかし、そのテープの状態が余り良いものではないことに、少しショックを受ける。ただ、ツイン・ピークスは未だに全エピソードのDVD化が進んでいないので、このテレビ史に残る傑作を全て見ることができるだけでも幸せなことだ。
ツイン・ピークスが滅んだ理由というのは様々だろう。当然、視聴率の低迷、というのが一番の理由であることは間違いない。物語が次第にソープオペラ的になってしまい、作品の質が落ちていった結果である。正直な話、僕がローラ・パーマーを殺害した犯人が判明した後もこのドラマを見続けた理由は、単純にデイル・クーパーというキャラクターの魅力が大きかったからでしかない。(もちろん、そこまで言い切れるほど酷くはないんだけど、今冷静に見ると、やっぱりドラマは弱い。)つまり、くだらないサイドストーリーをばっさりカットし、2クール程度のもっと濃いドラマに仕上げていれば、THE X-FILESのように長期に渡ってクーパー捜査官のドラマを見られたのでは、と残念でならない。クーパーF.B.I.捜査官を主役にしたTHE X-FILESがあり得たかもしれないのだ。実際、未だに僕はクーパーF.B.I.捜査官のスピン・オフを熱望していたりする。
ちなみに、ツイン・ピークスのメインストーリー、「ローラ・パーマー殺人事件」を昇華させたのがTHE X-FILESであることは疑いようもない事実だ。THE X-FILESがヒットしたのは、何と言っても愛憎ドロドロラブストーリーを省き、F.B.I.捜査官を徹底的に突き詰めたからである。
結論を言うと、ツイン・ピークスは確かに滅んだかもしれない。しかし、その魂は、THE X-FILESやMelrose Placeといったハリウッドドラマに受け継がれていったのである。
いつの日か、ツイン・ピークスが復活することを願って。